2011年4月24日日曜日

新緑の奈良散策

 桜が華々しく咲いて、華々しく散って行くと、なんだか宴の後、春が終わってしまったような静けさとなる。しかし、春はこれからが本番だ。

 遅咲きの八重桜、ハナミズキ、山吹、レンゲ畑...そしてみずみずしい新緑。奈良、大和路はこの頃の緑が一番美しい。さらに五月に入ると、室生寺の石楠花、長谷寺の牡丹、春日大社の砂ズリの藤...等々、豪華な花の響宴が続く。

 昨日までの雨も止んで、今日は久しぶりの快晴。心地よい風が大和の國中を吹き渡っている。今、青紅葉が美しく輝き始める季節の到来だ。奈良公園や春日大社の杜、高畑町辺りを散策すると、眼の覚めるような青紅葉が迎えてくれる。ふと,眼を転ずると、新緑とまだ咲いている山桜と濃い常緑樹の緑とが綾なす春日山原生林、若草山が奈良にみずみずしい春の訪れを告げている。

 いろいろとあって,今年は桜を堪能出来なかったが,その分,煩悩から解き放たれ歩く新緑の奈良公園、春日大社の杜、高畑町界隈。久しぶりに心が躍った。巡る季節、再生、新しい生命の息吹を感じる春だ。

 奈良市写真美術館に立ち寄り,入江泰吉氏の「万葉四季の花」2巻を手に入れた。



2011年4月16日土曜日

都内某所の春 ーFinepix X100の実力ー

 桜はパッと咲いてパッと散って行った。しかし、そのあとには春がそこかしこに。東京は思っているより四季の移ろいを感じる街だ。会社の行き帰り、家の回りにも,思わぬ所に春は潜んでいる。

 これらの写真は、富士フィルムの話題の新製品Finepix X100で撮影した。フィルムモードはVelvia。その鮮やかな色再現は,デジタルになっても健在だ。フィルムメーカーのトップの富士フィルムならではの発色マネジメントノウハウがこのマシーンに再現されている。フィルムカメラからはなれられなかった人間にはうれしい新製品。

 X100はとってもハンディーで街歩きのお供に最適だ。しかも高画質。クラシックなスタイル。いいねえ。それにライカなどのレンジファインダーカメラは最短撮影距離70cmが限界。ちょっと古いズミクロンやズミルクスでは1mだ。こんな遠視じゃあ,花はアップで撮れない。マクロで10cmはうれしい。しかも開放のボケ味もいい。ちょっとフレアーがかかってね。

 バッテリーが意外に早くなくなる。要注意!予備を必ず持参しましょう。


2011年4月12日火曜日

花の大阪城  太閤さんの夢のあと?

 


今年も大阪城公園に桜の季節がやって来た。

東日本大震災からちょうど一ヶ月。未だに多くの人々が行方不明。復興も緒に就いたばかり。福島は原発事故の収束見通しも立たず,今日はとうとうチェルノブイリ事故に並ぶレベル7になってしまった。まだまだ前途多難の日本だが春は確実にやってくる。

会社から近い大阪城公園は、いくぶんお花見自粛ムードだが、それでも花見を楽しむ人々であふれた。桜は今年も精一杯咲いた。石垣とお堀と天守閣を彩る桜の樹々。典型的な日本の春のシチュエーションだ。東京なら皇居、千鳥ヶ淵と桜。お城と桜は欠かせ得ない舞台装置。

満開をやや過ぎた今日は、お堀に花筏があちこちに漂っている。そういえば樹々の根元にも桜吹雪が... 風情たっぷりに散りゆく桜。これもまたよい。

ところで今見えているこの大阪城、太閤さんの夢のあと。なにわ大阪のシンボル的存在だが、現存の縄張りは1615年大坂冬の陣、その翌年の夏の陣の後に徳川によって全く新たに構築された徳川の大坂城である事を知る人は意外に少ない。大阪のシンボルにケチを付けるつもりはないが、今の大阪城は豊臣秀吉の大阪城ではないのだ。

冬の陣の後に外堀さらには内堀までは埋め立てられ、その後の夏の陣で天守閣は焼失し、本丸や西の丸などの城内の構造物は徹底的に破却され、埋め戻されている。その跡に石垣も全く新たに組み直し、壮麗な天守閣を建設した。要するに豊臣色を完膚なきまでに抹消して新たに建てられたのが今の大阪城だ。偉容を誇る巨大な城は、徳川の時代をなにわに誇示するかのように再建されたものだ。

豊臣大坂城はいまや完全に地下に封じ込められて,日の目を見る事は無くなってしまった。豊臣時代の石垣はわずかに北西の角、ドーンセンターの辺りに見えるくらい。

いまは大阪市民の憩いの場、観光名所となり、内外の観光客で賑わう。...というものの,震災以降、中国、韓国の観光客がぱったり来なくなった。観光バス用の駐車場は閑古鳥鳴く。太閤さんも徳川さんも,あくびしてはるワ。









































アクセス:
http://goo.gl/maps/35yL

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2011年4月10日日曜日

Fujifilm Finepix X100 レンジファインダーデジカメのあるべき姿?

 開発段階から話題になっていた為、発売開始以降ずっと品不足であったX100。その品不足にさらに拍車をかけたのが、東北地方の大震災だ。生産停止に伴う供給不足が続いていたがようやく生産再開とか。グッドニュースだ。それでも予約販売でなかなか入手困難。そんななか、一足早くマップカメラで限定入荷品をゲット出来た。予約もせずにゲット出来たのは幸運。

 インプレッション,気付いた事を思いつくままに:

 「高品位カメラ」をうたっているが、サイズ、見かけは、往年のフィルムコンパクトカメラ。キャノネット、コニカ、ミノルタハイマチック、ペトリ35などを彷彿とさせる。あるいは一世を風靡したコンタックスG1、2にも通じるものもあるが、基本的には良く写る普及型コンパクトカメラといった印象だ。

 しかし,デジタル全盛の今の時代に登場してくるとなかなかユニークなポジションに位置する。デジイチ、コンデジとは全く異なるジャンルを作り出した感がある。画質はデジイチ、コンパクトさはコンデジのそれ。しかも絶滅危惧種のレンジファインダー付き。ある意味ライカの良いライバル、あるいはライカの進化の方向を示すプロトタイプとなっていると思う。

 マグネシウム合金製のボディーで、ロゴマークがきちっと刻印されている。軍艦部はシルバーの荒めのメッキ仕上げ。もう少し梨地のきめが細かければライカの高級感に近づいたかもしれない。しかし,持って歩いているとなにか意外に高品位な姿を垣間みる事も出来る。特に専用の切りかき付きのフードを装着すると一段と「出来る」カメラに見える。なにか不思議な雰囲気を持っている。正面からだけ見ていて感じるどうも安っぽい(失礼)雰囲気だ。正面の内蔵ストロボによるものだと思う。これは要らないな。

 X100はさすがフィルムメーカ大手の富士フィルムが手がけたデジカメだけあって、往年の「カメラ」の雰囲気を大事に再現している。確かにあの頃の「コンパクト35」カメラと並べてみると、同じ匂いがする。その手触りと金属感触も我々の年代にはなじみの感触だ。しかし、よく見ると,その外見とは別に、カメラはここまで進化したと感じさせる仕上がりとなっている事に気付く。

 撮像センサーは通常のコンデジのような小さなものではなくAPS-Cサイズのデジイチ用を装備しているから、画質は良い。フィルムモードを選択出来るのが富士フィルムらしい。プロビア、ベルビア、アスティア、モノクロを選択出来る。

 レンズはフジノン23mm F.2固定。35mm換算で約35mmの広角で使いよいサイズ。最短撮影距離は80cmとちょっと物足りないが、マクロモードで10cmまでよれるのでこれはいい。開放マクロでは少しフレアーがかかり、かつてのズミルクス35mmの開放撮影時のようなふんわりした感じの画になる。レンズフィルター径が49mmで、あの頃のコンパクトレンズシャッターカメラのコパルやセイコーのシャッターユニット使用のレンズ共通の49mmののフィルターがそのまま使える

 最大の特徴であるハイブリッドファインダーであるが、光学ファインダー(OVF)では当然ながらパララックスが生じるが、これを補正する機構はついていない。近接撮影などでは電子ファインダー(EVF)に切り替わるようになっており、ハイブリッドファインダーのメリットを最大限生かしている。OVF, EVF,液晶モニター撮影の切り替えはマニュアルでは勿論の事、ファインダー脇のセンサーで顔を近づけると自動切り替え出来るほか、正面のレバーで切り替える事も出来る。レンズシャッター機であるが、スイッチオンでシャッターが開きTTLでのEVF、液晶モニターでの画像確認が出来る仕掛けとなっている。

 ハイブリッドファインダーはレンジファインダー機の向うべき方向を示しているような気がする。よく見えるファインダーは写真の写し手の感性を刺激する重要な仕掛け。最近のコンデジがファインダーを廃止しているのは寂しい。かといってフォーサースのようにEVFだけだとなにかすっきりしない。OVF, EVFそして液晶画面の3種類を切り替えて自在に使える,という事が新しいデジタルカメラのジャンルを作り出している。特にライカのようなレンジファインダー機のデジタル化の方向を示していると思う。同様にバックの液晶の画質も重要。ライカのそれはあまりにもお粗末。今の普及型のデジカメの水準と比較しても取って付けたようなオマケ液晶だ。感性を刺激しない。

 シャッターダイアルは軍艦部にあり、フォーカルプレーンシャッター機のレイアウト。クリック感もあり好ましい。また、同じ平面に位置している露出補正ダイアルは良い。ただ知らないうちに動いている事がある。

 気になるのは、電池がガタガタすること。また挿入方向が間違っててもカチッと収まるのは如何なものか。時々スイッチオンで起動しないのはこのせい?だとするとこれはチとお粗末過ぎる。

 とにかく、富士フィルムらしい,古くて新しいコンセプトのカメラが出た事は歓迎だ。もともとフィルムメーカーらしくカラーマネジメントのノウハウをしっかり蓄積して来ただけに、その発露であるFinepixシリーズの発色、画造りは好きだ。家電化するデジタルカメラに飽き飽きしていた私には写真の楽しみがまた広がった。




(往年のフィルムコンパクトカメラと比べてみて下さい。すっかり溶け込んでるね。それにしてもあの頃のコンパクトカメラの完成度の高さを改めて認識。)




(折しもサクラが満開。ベルビアを選択して鮮やかな一枚を楽しむことが出来る。花曇りでハッキリしないコントラストでもこの鮮明度がたまらない。フィルム時代から好きな発色だ。こうしたシチュエーションでも10cmまで寄れるのがうれしい。)

2011年4月5日火曜日

今年も當麻寺の桜が咲いた ーがんばれニッポン。春は必ずやってくるー

 3月11日以来、日本は未曾有の震災に見舞われて元気がないけど、いろんな再生への可能性も見えている。日本人の強さも見せつけている。

 大和路の當麻の里の桜が咲いた。當麻寺の護念院の枝垂桜が今年も見事に咲き誇っている。

 「サクラサク」いい言葉だ。元気が出る。

 日本人の心情をシンボライズする花が、今年も一斉に咲き始めた。

 春の来ない冬はない。

 がんばろうニッポン!がんばろう自分!



















































































































アクセス:
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