2018年7月2日月曜日

Leica M10 ファームウェアー問題その後 〜マイナーな問題なのか?〜

時空トラベラー  The Time Traveler's Photo Essay : Leica M10 ファームウェアー問題: Leica M10  最新のライカM10をゲットしてから4ヶ月余り経った。その完成度に満足し、出番が大いに増して手放せない愛機になってきた。ところがその蜜月ムードに水を差すような出来事がまたぞろ発生しはじめた。ライカ社から見れば大した問題ではないのかも...


 と指摘したのが去年の7月であった。そして今年の6月29日になって、ようやくM10のファームウェアーアップデートver.2.4.5.0がリリースされた。前回指摘した不具合(露出補正値の表示不具合)はやっと修正された。ついでにLEDがピカピカ点滅して鬱陶しいのもオフにすることができるようになった。ライカジャパンのサービス担当が言っていた通り、バグ修正に一年かかったことになる。しかし、バッテリー残量表示不具合(減ってるのに100%表示のまま。突然残量不足表示に変わる)はなぜか直っていない。バッテリー側の問題なのか?特に言及はない。SNSで指摘されていた「露出オーバー」バグ(私の個体では確認できなかった)はどうなったのか。いずれもライカ社の発表したファームウェアー修正リストにも載らない「その他のマイナーな不具合」にカテゴライズされるものだ。「だから大したことじゃないじゃないか、大騒ぎするなよ」ってことなのか?しかし、マイナーかもしれないが、日本のメーカ製品では絶対に考えられない、しかも高級カメラとは思えないような「お粗末」な不具合がなぜいつまでも修正されないのか全く理解できない。高度なプログラマーの手を借りなければならないようなコードの書き換えではないだろう。何しろマイナーバグなのだから。しかしこんなお粗末な不具合をいくつか抱えたまま、またライカ社はお得意の限定版商法を展開。M10をベースに通常価格の倍以上のプライスタグのついた「ナンタラバージョン、リミテッド」を連発している。中でもドイツヴェツラー本社ビル「ライツパーク」限定モデルは、ライカ社の最近の増収増益という短期的な好業績に浮かれた記念モデルだ。

 最近私は考える。ライカ社はユーザの意見、コメント、販売現場の声、あるいはサービスフロントでの故障クレーム収集、これらの分析、フィードバックのサイクルが十分機能していないのではないか。いくら使い手に媚びないカメラだとは言っても不具合はちゃんと直して欲しい。一部の有名フォトグラファーや評論家のコメントは聞くが、一般のユーザの意見は聞かない、いや届いてないのだ。不都合な真実を投げかける批評家はシャットダウン。最近、あの辛口ブロガーもライカサイトに登場しなくなった。政治の世界に流行りの忖度マーケティングなのか。忖度マスゴミを取り巻きにしていては政治も経営も破綻する。故障やマイナーな不具合への対応の仕方に、企業としての顧客への姿勢がはっきり見える。他社のカメラではありえないたびたびの故障やバグに遭遇した経験から学んだことは、ライカ社にはKAIZEN活動などというTQCのプロセスが存在してないようだということ。これでは企業の持続的な成長は望めない。短期的な売り上げ増に悦び、豪華な本社ビル「ライツパーク」など建設しているようではライカ株は「売り」だと言われても仕方ないだろう。