ライカの限定品商売の一つでM9のチタンボディーが12月に全世界500台限定で売り出される。
今年のドイツのFotokinaで発表された。
フォルクスワーゲンのデザインチームとのコラボ製品で、「ドイツ」テイストいっぱい、金属度満載のチタンボディー。なかなか魅力的なデザインに仕上がっているではないか!同じくチタン外装のSummilux 35mmがついてくる。また、従来のネックストラップではなく、肩からかけるガンベルトのようなホルスターに装着して持ち歩くようになっている点も斬新。 詳細はウエッブサイトで確認してもらえればよい。
ライカは伝統的にこうした限定品商売が大好きだ。M7のエルメス版もその一つだ。外装にお金かけて付加価値として高額商品化する。これも商品のコモディティー化を避ける一つのやり方だろうが、特定マニア(アメリカの借金金持ち、中東の大金持ち、日本の小金持ち、中国の成金等)向けに商売する会社、という企業イメージが定着している。
しかし,一方、我がM9は相変わらず使い込むたびにいろいろと不安定な症状が現れていて、イマイチ信頼感に疑問無しとしない。安くない値札は本当に本体の価値に相応の価格なのか...? せっかくレンズ群が秀逸であるのに、ボディー性能がミスマッチな感じが...
最近気がついた事象として一番ビックリしたのは、SDカードを挿入したのに、ボディー側が認識しない(「SDカードが入ってません」表示)何回か抜き差ししてるうちにようやく認識。
ボディーの中で「接点の接触が悪い」なんて、昔の安物の家電製品みたいなことが起こっているのだろうか?アナログな真空管ラジオみたいに「叩けば直ります」か?
二つ目は、電源スイッチをオフにしているのに、シャッターボタンを押すと、液晶モニター右下のLEDが明滅する。ちなみに私のM8では起こらない。別に撮影に不具合はないが、なんで?まさか電池の消耗が早い原因の一つになっていないだろうな。気持ち悪い。
以前報告した再生時の拡大スクロールで、画面が飛んでいく件も,相変わらずだが,いつも起こる訳ではない。ホワイトバランスの不安定さは言い飽きた。
こうした我々の業界用語で言う、「時時断」「TOK (Test OK)」的な不具合が散見される。こういう「完成度」具合が一番困る。こうした「バグ」は実際の撮影には影響ない,とはいえ、不安要素として精密光学器械の信頼感を大きく阻害する。
外装をチタンにしてフォルクスワーゲンチームに多額のデザイン料払い,それをマニアから回収するのもいいが、デジタル機器としての中身を充実強化して完成度を上げて欲しい。Nikon製品を形容するdurable, dependableを思い起こして欲しい。そうでないと,ライツ家創業以来の伝統であるはずの、一生もの、末代ものの製品は生まれない。子孫に「これはとっくに壊れて動かないけど、昔はカメラだった。今はチタンの文鎮だよ」と説明しなくてなならなくなる。おじいさんは「何に金払ったのかねえ」なんて言われたくない。
http://jp.leica-camera.com/photography/special_editions/m9_titan/