2015年12月7日月曜日

日比谷公園へ行こう! 〜隠れた紅葉の名所はここだ!〜

 例年楽しみにしている京都の紅葉を見に行き損ねた。しかし、今年の京都は冷え込み時期が遅く、有名な紅葉名所はあまりきれいに色づいていないと聞く。弾丸日帰りツアーで見に行った人の話を聞くと紅葉しないまま散りゆくところもあるという。負け惜しみじゃないが行かなくてよかったのかも... でもせっかくだからどっかで秋の風情を感じたいものだ。

 「そうだ、日比谷公園行こう」。そういう時は身近なところで晩秋の風情を探そう。日比谷公園は今更説明する必要もないが、東京の都心のど真ん中にある日本初の西洋式公園で1903年開園。今年で開園112年を迎える。歴史を誇り東京のシンボルのような公園だ。造園計画時には完全に西洋風にするか、和風も取り入れるか計画が二転三転し、なかなか意見がまとまらなかったそうである。結局、もともと江戸城の日比谷濠や大名屋敷跡であったこともあり、一部に江戸城の石垣を残したり、日比谷入り江(濠)の名残である雲形池をとりいれた和風庭園を作庭した。そこにモミジが植えられたわけだ。

 都会のど真ん中。サラリーマンのオアシス。長年勤務した会社の真ん前。窓から毎日眺めた日常風景。なんとこんところにこれほど美しい紅葉・黄葉の競演が楽しめるところがあったじゃないか。そんなところにこんなに豪華な「美」が潜んでいる!青い鳥を求めて遠くを旅した末に帰った故郷に青い鳥を発見した、メーテル・リンクの童話「青い鳥」の世界だ。

 東京都内の庭園や公園の紅葉の見頃は遅い。場所にもよるが大体12月に入ってからだ。ここ日比谷公園も例年今頃がハイライト。雲形池のほとりのいつもの場所のモミジとイチョウが見頃になる。公園のシンボルである鶴の噴水の背景にスクリーンのように見える紅と黄が鮮やかだ。これだけモミジとイチョウのコントラストが楽しめるところは意外に少ない。去年の秋は、その年の2月に降ったドカ雪で、池の端の紅葉の枝が散々に折れ、無残な状況であったが、今年は庭師の職人技もあって見事に復活したようだ。

 紅葉の撮影は意外に難しい。今日のような秋晴れのピーカンの下では順光で眺めてもそれほどの感動はない。撮影すると陰影のコントラストが強すぎて情感が伝わってこないのだ。しばらく光が変わるのを待つ。ようやく午後3時頃の半逆光の光を通して揺れるモミジの紅い透過光が美しくなった。黄色いイチョウと池の水面に映るその鮮やかな黄色を背景に眺める紅のモミジのシルエットは最高だ。情感溢れる秋の風情というよりはカラフルで豪勢な写真になったが、それはそれでインパクトがあっていいのでは。

 今回試し撮りしたライカの新しいフルサイズミラーレスカメラ、Leica SL+Vario Elmarit SL 24-90は素晴らしい性能を発揮してくれた。ライカがズームレンズ作るとこうなるんだ。JPEGでも高精細だが、DNGで撮ってLightRoomで現像するとさらに高精細に。撮影の後工程の作業に耐えうるしっかりした解像度で、とてもズームとは思えない。さすがだ。このレンズの重さと大きさはこのためなのかと納得する。なんかライカは今後はMからSLにシフトしそうな予感がする。