2016年5月4日水曜日

伊豆逍遥 〜今も昔も「愛の流刑地」〜(その二)

時空トラベラー  The Time Traveler's Photo Essay : 伊豆逍遥 〜今も昔も「愛の流刑地」〜: この週末はいつもの伊豆の隠れ家へ。吹きすさぶ都会の寒風を避け、ここは東京からも行きやすい避寒地だ。加茂郡東伊豆町奈良本、といっても知らない人が多いだろうが、伊豆熱川温泉といえばその名を知らない人は居ない。伊豆熱川駅からだと、温泉街は急な坂を下った海岸ベリだが、奈良本の里は、急な...





 今年はゴールデンウィークの前に伊豆へ行った。いつもの隠れ里へ。都会の喧騒と人の多さに辟易すると、この伊豆のどかな風景は、ささくれ立った心を癒す特効薬となる。もっとも、連休中の東伊豆へは、東京首都圏からの観光客(安近短組)がどっと流入するので、ほぼ唯一の道路135号線は大渋滞、鉄道も混雑。観光地は人出でごった返すことになる。これじゃあなんのために都会を脱出するのかわからない。できるだけこういうタイミングは避けたいので、今回は少しだけ前倒しでやってきた。おかげでゆっくりできた。

 伊豆といえば温泉と海洋リゾートのイメージが強いが、実は20万年前の火山活動でできた火山群とそこから流出した溶岩台地が形成する高原でもある。そもそも伊豆半島自体は2000万年前に遙か800キロほど南の太平洋に発生した海底火山が、フィリピン海プレートに乗って徐々に日本列島に近付き、100万年ほど前に本州に衝突して伊豆半島になったという。地球規模の壮大なジャーニーの物語があったのだ。上述のように、前回は「流刑地」としての伊豆の歴史を紹介したが、そんなに人間の歴史なぞ、ホンの僅かなもんだよ、と言わんばかりの伊豆半島の歴史。最近、伊豆半島全体をジオパークに指定しようとする活動が盛んで、半島の各地域にジオポイントが指定されている。これらを訪ねる「時空旅」は、伊豆の歴史を全く違ったスケールで眺めることができそうだ。
その話はまた別にしよう。

 今回も、伊豆奈良本の里をゆっくりと散策した。観光地とは無縁の日常の地元生活が息づく土地だ。また違う伊豆の魅力を発見することができた。


山藤が見事

里のあちこちに鎮守の杜が

六地蔵

水神社の道祖神


水神社
古の昔、奈良から来た人々が住みついた奈良本。その鎮守として創建された。

里には古木が多い

イチゴ狩りが今時の人気のイベントに

たわわに実るイチゴ

藤の季節だ


新緑に包まれる水神社

樹齢はどれくらいだろう

里の風景


りっぱな生垣の家が連なる

伊豆のシンボル、夏みかん