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「キンデとオヂラ」
今や「トマソン」建築として残しておきたい |
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一本隣の「光学通り」はツツジが美しく咲き誇る |
祝天皇即位!祝令和元年!。世の中お祭りムードで10連休中。人混みを嫌うこの偏屈「時空トラベラー」は遠出せず、ご近所散策。お天気も良くなったので大井町まで歩くことにした。あえて西大井駅前から三間通り商店街を大井町駅まで30分ほど散策。期待通り人だかりなど全くない。「静けさ」だけが通りに淀んでいる。タイムスリップしたような昭和な建物が並ぶ商店街。基本的にはコンビニなどのチェーン店はなくて、地元の個人商店ばかりの商店街だ。ここには戦前からニコンの大井工場があって、日本を代表する先端技術の町、モノつくりの町として繁栄した時代があった。そのニコンは2016年に大井工場を閉鎖。あの名器ニコンFシリーズを次々に生み出した歴史的工場建物は解体され、今は広大な空き地が虚しく広がっている。令和の新しい時代の到来を寿ぐ中で、ここにはかつての繁栄の時代の痕跡が残るのみだ。ゴールデンウイークのまっただ中、新天皇即位祝賀ムードも、令和の連呼も、憲法記念日の論争も、端午の節句の子供達の歓声も、どれにも関係ない時間がまったりと揺蕩う空間。時折通る自転車と車の走行音以外はシーンとしている。去年まで開いていた店が今年はもう閉まっている。あの豆腐屋さんも廃業したのだろうか。後継者がおそらく居なかったのだろう。おばあちゃんが店番してた小さな洋装店も、オトーサンの履物屋さんもいつの間にか看板がなくなっている。居酒屋も不動産屋さんも店仕舞い。みんなどこへ行ってしまったのか。さらにシャッター通り化が進行中だ。昭和な看板建築が立ち並ぶ(かつての)商店街。平成の前の時代の街並みがとても懐かしくて愛おしく感じる令和元年の1日である。あの頃の街はもう還らない。「嗚呼!昭和は遠くなりにけり」。
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「キンデとオヂラ」
どちらも昭和の商店街には欠かせない商売だった
「カメラ屋」とともに消えた商売だ。 |
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果物屋さんは頑張って商売中 |
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去年まで開いていたのに...
それにしてもファサードが美しく懐かしい
多くの改造を受けたのだろう |
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人気の無さは連休だからというわけではなさそうだ |
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ついにシャッター降ろしてしまった
両脇の店も完全廃業 |
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昭和な「看板建築」の名残もいつまで |
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町の守り神
権現様 |
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そしてお稲荷さん |
せめて五月晴れの一日の彩りを最後に。