2024年6月1日土曜日

Leica SLシリーズの第三世代、SL3がやってきた!


Leica SL3 (Leica Japan HPより)


Leica SLシリーズの第三世代カメラ、SL3が3月に発売になり、本日ようやく手元に届いた。3月8日予約受付日一番で予約。発売日は3月16日。しかし結局2ヶ月以上待たされ5月28日入荷連絡。手元にある愛機、SL2とSL2-S2台を下取りに出し、6月1日配送ということにあいなった。ちなみに前回は予約一番でゲットできた。SL2の発売が2019年11月23日だから4年半ぶりの改良モデル登場だ。初代は2015年11月の発売だから、以来8年半経っている。前評判ではSL2と比べてそれほど大きな進化はないのでは?とか、あえて買い換える意義はあるか?とか言われていたが、実際どうなのか。入手当日の開封ホットレポートだ。


SL2から何が変わったか?

1)6030万画素フルサイズ裏面照射型CMOSセンサー M11, Q3と同じ(SL2は4730万画素)

2)トリプルレゾルーション(6000万、3600万、1800万)要するに3つの解像度を選べる これもM11, Q3と同様

3)AFは、位相差検出方式が新たに加わり、物体認識(デプスマップ)、コントラスト検出の3方式のハイブリッドに

4)画像エンジンはMaestro IVに高速化(SL2はIII)

5)ハイブリッドシャッター、5軸手ぶれ補正は変わらず

6)従来よりもコンパクト(3mm短く)、軽量(70g減量)に!? 

7)ユーザインターフェースを改善 軍艦部左に新たにダイアルが追加 ダイアル、ボタンへの機能割り付けメニューのカスタマイズができる

8)3.2インチのタッチセンサー背面モニターがチルト式に

9)CF Express Type B採用 + SD UHS-IIメモリーカードとの2スロット

10)WiFi, Bluetooth 安定した高速ワイヤレス Apple製品との親和性を意識したアプリ

11)イルミネートされた電源ボタン 電源オン/オフのレスポンスが改善されクイックスタートができるようになった。またシャッターボタンを押すと直ちに撮影モードになる、スタンバイモード設けられた。

12)バッテリーがQ3と同じ大容量(BP-SCL6)に変更(USB-C充電可能)


一見するとSL2とそれほど大きく違うカメラになったという感じではない。ライカ社は、「小型軽量化された」とアナウンスしているが、その差は僅か(3mmと70g)で、外観上も手に取ったズッシリ感もほぼ変わりない。Q3と同様、SLシリーズに液晶チルトスクリーンが初登場だが、個人的には使わなのであまり感動していない。ただし電源ボタンがプッシュ式になり、オン/オフのレスポンスが大幅に改善された。シャッタ半押しですぐ撮影に移れるスタンバイモードが設けられ、ストリートフォトには有利。さはさりながら要は6030万画素センサーと新たな画像エンジン、より正確なAFという3点が大きなスペック上の進化点で、それ以外特に目新しい技術や機能は見当たらない。しかし、デジタルカメラとしてレスポンスが良くなり(高画素機であるにも関わらず)テンポよく撮影できるようになったことは大きな改良点だ。また、ネット環境との接続性能も改善され、取り回しがより快適になった。換言すればIOT製品として成熟したということだ。その分電力消費量が増えたのか、大容量バッテリーにも関わらず減りが早いようにか感じる。まあ、かつて電気式露出計を入れただけで、「弁当に生物を入れるな」と怒りをあらわにする保守的な使い手が幅を利かせていたライカ世界だ。デジタル化なんてとんでもない罰当たりな所業であったことだろう。そうしたライカ・デジカメ時代の初期(スロー、バグ多し、電気不安定)を知っている身にはSL3は劇的な進歩だ。もはやデジタル化を逡巡している時代ではない。手に取った感じも「ライカ開封の儀、その時の驚き!」といった感動は少ない。が、違和感なくすぐに撮影に取りかかれる。お道具感が手に馴染んで来た証拠だろう。SL3の発売のアナウンスがあった後も、SNSやYouTubeでそれほどセンセーショナルに取り上げられることはなかったように感じたのはそうした成熟度の表れなのかもしれない。そう言ってたらバグが見つかり(バッテリーを外すと直近の撮影画像が上書きされる)、修正ファームウェアーがリリースされた(7月19日)

それにしてもSL3もM11, Q3と同様6000万画素の高画素機になった。ハッセルブラッドの1億画素に比べれば、という話はあるが、カメラの処理能力が飛躍的に進み、吐き出すデータ量が半端でない時代に入ると、ますますポスプロに使うパソコンやスマホ/タブレットの処理性能の向上も計らねばならない。ちなみに、最近Lightroomの消しゴム機能がAI化され、Photoshopに頼らずとも不要な写り込みをきれいに取り除くことができるようになった。ますますどれがオリジナルな写真か分からなくなってしまうが、この機能を使うにしてもファイルサイズが大きくなるにつれ処理時間が長くなる。読み込みにも、処理にも、書き出しにも、CPU、メモリーにかかる負荷はどんどん増える。ブログへの写真アップロードにも時間がかかるし、インスタグラムの場合はファイルサイズを落とさないとアップロード拒否されてしまう。バックアップのSSDの容量もすぐにいっぱいになってしまう。高画素化、高速処理の進化速度は速い!フィルムカメラに比べてデジタルカメラは経済的(高価なフィルムを買わなくて良い!)だと思っていたのは昔の話だ。今やカメラだけでなくメモリー、ストレージ、回線などデジタル化への投資額は増える一方だ。


Leica SL2発売時のブログは、2019年11月27日「Leica SL2」を参照あれ。



コンパクトボディーで幅がSL2より3mm短くなった!というが...

カードはCF+SDの2スロットに

背面は右に寄せられた3つボタン、電源ボタンとシンプル


チルト式タッチセンサースクリーンに

左にも新たなホイールが


以上の写真はライカ・ジャパンのウェッブサイトからの引用



背面の構成
一番印象的なのは左肩の丸い電源ボタンかもしれない。
LEDが幻想的であるし、電源のオン/オフのレスポンスが速い!
ストリートフォトでもすぐに撮影に入れる



作例:Leica SL3 + Apo-Summicron-SL 50mm/2