ページビューの合計

2019年11月27日水曜日

Leica SL2がやってきた 〜予約一番でゲット!〜

 11月23日発売が予告されていたLeica SL2。Mカメラに予約受付一番で今回はゲットすることができた。最近はLeica製品は人気と見え、なかなか予約一番でも、発売日に手に入れることができないことが多くなった。そもそも日本への初期出荷台数が少ないので絶対数が足りなくてなかなか手に入らないのだが、これまではたいていネット予約初日でゲットできたのに。前回のLeica Q2の時は、予約受付一番で申し込んだにもかかわらず当たらなかった。結局発売日から一ヶ月以上待たされた。今回もライカジャパンに問い合わせたら「今予約入れても、多分年明けになると思います」との回答だった。日本製のハイエンドカメラの倍近いの価格なので誰もが殺到するわけではないだろう。しかしこれだけ人気が出るということは、趣味人はさらにハイエンドの道具にグレードアップし始めたのだろうか。安くて高性能よりも、人が持っていないカメラ志向へ。しかし、こうなるとライカは誰もが持つ高いカメラ(!?)になるのかもしれない。

 そうは言っても、このライカを購入するのは勇気がいる。なんと言っても資金繰りがまず(いつも)頭痛の種だ。家庭内の承認手続きにも時間がかかる。今回もSL始め、いくつかの機材を下取りに出してようやく最小のキャッシュアウトで購入することができた。幸いライカ製品は元値が高いが、下取り価格もあまり下がらず、特に最近の人気で下取り価格が日本製の高級機に比べ高止まり。特にレンズは購入時価格から値が下がらないのが驚きだ。これは助かる。中古を含めたライカ独自のエコシステムが日本に形成されてきたのだろう。

 SLからのバージョンアップ:

1)フルサイズ、ローパスレスCMOSセンサーは変わらず。しかし画素数は2400万画素から4730万画素のほぼ倍に。APS-Cレンズによるクロップでも十分な画素数を確保できる。Q2と同じセンサーか?
2)画像エンジンはMaestro IIIに。高画素化してもより高速で、これまでの全体的なレスポンスのモタモタ感が払拭された。AFのレスポンスも改善された。
3)ようやく待望のボディー内手振れ補正が搭載された。これが一番嬉しい。5軸手振れ補正で5.5段分の効果がある。これで望遠ズームやマクロレンズ、Mレンズ、Rレンズでも安心して使える。
4)ファインダーEVFは576万ドットに(SLは440万ドット)。とて見やすくて美しい。ファインダーは撮影者にとって写欲を支配する一番のウィンドウ。これはかなり買いだ。ちなみに背面液晶画面は3.2型210万ドット。
5)AFが従来のコントラストAFに加え、新たにパナソニックの新方式AF、DFD空間認識AFと人認識AFが導入された。
6)メニュー系はQ2やM10、CLと同様な3ボタン方式に変更された。分かりやすくなった。
7)USB-Cポートが設けられ、Macとの直結、USB充電が可能になった。しかも充電しながら撮影もできる。
8)メモリーカードは2スロットで、双方ともUHS-II対応(SLでは1スロットのみUHS-II対応)。
9)ボディーサイズや質量はほぼSLと同じ。しかし、よりエルゴノミクスを考慮したデザインに改良。グリップ部が少しサイズダウンし、アールがとれて指がかりの良い窪みが設けられたため、格段に持ちやすくなった。手にしっくり馴染む。一見、コンパクト化されたように見えるが、やっぱり数値上の質量はかわらなので重いのだが、それを感じさせないたなごころ感がある。
10)外装はトップカバーがアルミ削り出し。テクスチャーはCLのような梨地となった。他をマグネシウムとして軽量化した。と言っても上に述べたように質量は変わっていない。手振れ補正などの新機構を入れても質量を増やさなかったと言って欲しいのだろう。
11)防塵防滴性能がIP54に引き上げられた。Q2はIP52基準となっている。
12)GPSが無くなった。なぜ?バッテリーを食うからか?

 言うまでもないが、画素数がほぼ倍になったことからメモリーカードには余裕が欲しい。DNGで撮影すると64Gサイズでも撮影旅行などでは心許ない。LightRoomなどで後処理を行うPCのRAMサイズ、プロセッサー速度、SSD容量ともにアップグレードが必要だ。クラウドサーバーへのアップロードにも時間がかかるようになる。またバッテリーもSLに比べるとやはり消費量が大きい。ボディー内手ぶれ補正機能搭載も一因だろう。一日の撮影でほぼなくなる。必ず予備バッテリーを携帯する必要がある。

 ビデオ/動画撮影関係が充実し、本格的な作品作りができるようになったが、個人的にはあまり使わないのでノーコメント。


 Leica SL2は非常に完成度の高いミラーレスカメラになった。特にようやくボディー内手振れ補正が搭載されたことは嬉しい。MレンズやRレンズのようなマニュアルフォーカスのレジェンドレンズを生かしたいユーザにとって、SLボディーがその母体になるのだが、それだけにボディー内に手ぶれ補正をなぜ搭載しないのか不思議だった。また高画素化は時代の流れに沿った進化だ。これでこれまでニコンやキャノン、ソニーには装備されているのにライカには足りなかったものがほぼ全て装備された。これは日本勢もウカウカしてられない。ライカはこれまでデジタル化の点で日本勢の後塵を拝していたがこれで完全に追いついた。のみならず、ある意味で追い越した感がある。基本性能がブラッシュアップされた高品位な作りの道具になったという点と、Lレンズアライアンスによる、新たなエコシステムを生み出したという点で。

 デジタル化についてはパナソニックとの協業が大きく後押ししているのだろう。EVFはパナソニックのLUMIX S1Rと同じものだ。先述のようにAFにもパナソニック開発の新方式が搭載されている。センサーはスペックを見る限り同じものようだ(公表はされていないが)。パナソニックが資本参加しているイスラエルの企業の製品だと言われている。異なるのは、SL2はMレンズ装着を想定しているので、センサーフロントのカバーグラス枚数(厚さ)が違うらしい。LUMIX  S1Rが出たときに、これで機能面ではLeica SLを凌駕したと思った。まさか次に出るSL2はパナソニックのOEMじゃないよな、などと冗談言っていたが、まんざら冗談でもないのかもしれない。しかし、当然ながらライカ社開発責任者は、これはライカデザインの別物だ、と言っている。まあ技術は共用しているが結果的にはかなりライカテイストを前面に出した新しいカメラになったと言えるだろう。Lマウントアライアンスとも相まって、ライカ、シグマやパナソニックの世界が面白くなってきたことは間違いない。



サイズ/質量はほぼSLと同じ(もう少し小型化、軽量化されるかと期待したが...)。
外見は、ペンタ部形状、ボディーの張り皮、ストラップタブ(この飛び出しはどうだろう)、ホットシュー(こっちもペンタ部から飛び出した)。
しかし、基本的には大きな変更はない。

外見からはもちろん視認できないが、一番の進化点は、ついにボディー内手振れ補正が導入されたことだ。
これでRレンズ、Mレンズが安心して使える。なぜこれまでなかったのか不思議なくらいだ。

Leicaの赤バッチが一段と大きくなった。
自信の現れか?
グリップがSLに比べわずかに小さくなり、指掛の良い窪みが設けられた。
エルゴノミクス的には扱いやすさが向上した。

背面液晶画面。
Leica M10やLeica Q2と同様、3ボタンに変更された。
メニューはよく整理され、使いやすくなった。
この画面はFavorite画面で自分でカスタマイズできる。

特筆すべきはこのEVF
SLから大きく進化した。
明るくて視認性が高く、ディテール再現性に優れ、写欲を増進させてくれる。

Leica SL2 + Vario-Elmarit-SL 24-90/2.8-4 ASPH
バランスが良い
Leica FOTOSによるスマホ/タブレット連携
しかし、繋がりにくい。リモートは使えるがPRO契約しないと画像を読み込まない。
結局役に立たない。





取り急ぎの試写例:

DNGをLightRoomでレタッチ無しポジフィルム現像。

Apo Summicron-M 75//2
開放絞り
光量に限りがある室内だが手振れ補正がしっかり効いている

Noctilux-M 50/1
開放絞り
ピント合わせの極めて難しいレンズで有名だが、
このEVFはフォーカスアシスト機能を使うとキチッと決めてくれる。
やっとこの名(迷)レンズを持ち出す気になった。


 以下は、Vario-Elmarit- SL 24-90/2.8-4 ASPHで撮影

このズームのズームらしくない画質はさすがライカ。SL2とのベストマッチである。少々の重さは我慢することにしよう。