2年ごとに開催される恒例の稀覯書(貴重な古書)の国際的なフェアーが東京有楽町の交通会館で開催された。今年は海外6カ国12社を含む37社が出展している。いかにネット時代、デジタル時代とはいえ、100年1000年単位の古書は不滅である。いや電子媒体全盛になればなるほど活字と書籍は歴史的文化財になる。大事にしてゆかねばならない。会場は大勢の参加者で溢れる盛況ぶりである。そういう人が多くいることは嬉しい。
今回特に目立ったのは、海外からのバイヤー、外国人古書マニアの参加が多かったこと。欧米系の彼らの「爆買い」がこうしたトレードショーを活性化させているようだ。私が狙っていた17世紀イギリスの経験論哲学の古書は、タッチの差でまとめ買い欧米バイヤーによって買い取られてしまった。結構な値段の古書だが、彼らにとっては「お買い得」なのだろう。本国で仕入れるよりも日本で安く仕入れてニューヨークやロンドンで高く売る。「爆買い」は不動産だけではない。
かつては日本マネーが海外でアンティークや貴重な古書を買い漁っていたが、長いデフレと円安で、今や「日本」は海外バイヤーによって買い漁られる国になってしまった。彼らから見れば、かつての「ジャパンアズナンバーワン」によって海外流出した「文化財」の買い戻しである。博物館クラスの古書、稀覯書やアンティーク、美術品、ビンテージものの市場動向、マネーの流れは国の経済パワーの盛衰をよく反映している。ここにも日本の経済パワーの凋落ぶりが現れている。それに伴って文化力が低下しないことを祈りたい。それを肌身で感じた稀覯書フェアーであった。
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| 20256年版カタログ |
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| いつもお世話になっている神保町の「北澤書店」のブースで |
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| エントランス 開場直後は入場規制があった |
(会場内の撮影は原則禁止)


