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2026年3月14日土曜日

「ABAJ 国際稀覯本フェア−2026」:ABAJ International Antiquarian Book Fair 2026 に行ってきた

 恒例の稀覯書(貴重な古書)の国際的なフェアーが東京有楽町の交通会館で開催された。今年は海外6カ国12社を含む37社が出展した。いかにネット時代、デジタル時代とはいえ、100年1000年単位の古書は不滅である。いや電子媒体全盛になればなるほど、書籍は歴史的文化財になる。大事にしてゆかねばならない。そういう人が多くいることは嬉しい。会場は大勢の参加者で溢れる盛況ぶりである。

今回特に目立ったのは、海外からのバイヤー、外国人古書マニアの参加が多かったこと。欧米系の彼らの「爆買い」がこうしたトレードショーを活性化させているようだ。私が狙っていた17世紀イギリスの経験論哲学の古書は、タッチの差でまとめ買い欧米バイヤーによって買い取られてしまった。結構な値段の古書だが、彼らにとっては「お買い得」なのだろう。本国で仕入れるよりも日本で安く仕入れてニューヨークやロンドンで高く売る。「爆買い」は不動産だけではない。

かつては日本マネーが海外でアンティークや貴重な古書を買い漁っていたが、長いデフレと円安で、今や「日本」は海外バイヤーによって買い漁られる国になってしまった。彼らから見れば、かつての「ジャパンアズナンバーワン」によって海外流出した「文化財」の買い戻しである。博物館クラスの古書、稀覯書やアンティーク、美術品、ビンテージものの市場動向、マネーの流れは国の経済パワーの盛衰をよく反映している。ここにも日本の経済パワーの凋落ぶりが現れている。それに伴って文化力が低下しないことを祈りたい。それを肌身で感じた稀覯書フェアーであった。


20256年版カタログ

いつもお世話になっている神保町の「北澤書店」のブースで

エントランス
開場直後は入場規制があった