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2011年1月3日月曜日

気まぐれライカM9に手を焼く

 正月もあっという間に終わって、三日には羽田から伊丹まで飛び,西部戦線に復帰。

 東京の正月は晴れ。日本全国が風雪による厳しい寒波で翻弄される中、関東平野はカラっ風のいい天気。Uターンラッシュに混雑する羽田到着ロビーを横目に,逆Uターンでゆったりと大阪へ。

 羽田は新滑走路を離陸。やがて左手に東京スカイツリーと東京ゲートブリッジがちょうど見えたので愛用のM9でパシャリ。両方が見渡せる絶好のアングルだ。東京ゲートブリッジもまだ建設中で繋がっていない。よく見ると双子の怪獣が向き合っているようだ。新しい東京のランドマークが間もなく誕生する。

 離陸後一時間もしないうちに、はや伊丹着陸態勢。大阪は近い。高速陸蒸気でも二時間半なのだから。機内サービスのお茶飲んでる暇もない。しかし、雲間から見える奈良の東山中、紀伊山系は白銀の世界。飛鳥の里も冬景色だ。日本も狭いようで広い。様々な季節が同居している。

 奈良盆地から生駒山を超えると河内平野。八尾飛行場が見える。やがて大阪城を左下に見て機は市街地広がる大阪の街のど真ん中にドンドン降りてゆく。ビルや高速道路をかすめながら着陸。 と、平穏な飛行であったが、この間,我が愛用のライカM9はご機嫌斜め。突然「フォルダー番号をリセットしろ」「SDカードがフル」とのメッセージがでて、シャッターが下りなくなってしまった。正月早々...
 SDカードの容量はまだ70%程空いているのに。MENUからフォルダー番号リセットボタンを選んで押しても何の変化もなし。今カードの初期化すると全部消えてしまう。どうしたらいいんだ!?

 パニック状態でそれ以上の撮影続行は不可能となる。したがって東京スカイツリーまでは撮れたが、白銀の東山中、大阪城は、くやしいが見過ごすよりなかった。動かない金属の塊(文鎮と化した)ライカを握りしめ「この役立たずメ」と、よほど床に投げつけてやろうかと思った。

 なんか「いざ本番」「決定的瞬間」という時になって,突然写せなくなる事が多いような気がする。以前にも「カードが認識出来ません」とか「カードがロックされてます」とか、たわけたメッセージが出て撮影を中断しなくてはならない事があった。「これだ」と思ってスイッチオンしてシャッター押すと,反応しなくてチャンスを逃した、なあんて事も。

 家に帰ってマニュアルを読む。この説明文の日本語がまた何言ってるのかよくわからない。ドイツ語の直訳? 訳したヤツは内容を理解して書いたとはとても思えない。一瞬オレの日本語読解力がなくなったのか、と考え込んでしまった。
 気を取り直して何度か読み直すと,要するにどうもフォルダー番号がL99999999になるとそれ以上記録しないようだ!(SDカードに容量があっても!)。 その場合、マニュアルで番号をリセットする事が必要らしい。しかもリセットするにはSDカードを初期化する必要がある、と書いてある。しかも初期化は「上書き」を選ばねば完全な初期化は出来ず、フォルダーに大量のデータが残るようだ。そして「上書き」には数十分かかる、とある。したがってバッテリーはフルに充電しておくように、とご丁寧に注意書きが...

 バカヤロウ! 冗談じゃないよ。撮影現場でそんなことが出来るか! 少なくともニコンやキャノンでそんな経験は一度もない。M8でもそんなリセットのモードはなかったのに。故障でないとしても、使い手が想定出来ない事象が発生するということは、道具として完成されてない事の証明だろう。
 
 仕方ないから,これまでM9用に使用している(ライカ社ご指定の)SDカード3枚の中身を全てハードディスクに落としてから、一時間程かけてセッセと「上書き」で初期化。バッテリー2個があがり!充電中。で、ようやく撮影可能になった。でもこれで大丈夫なんだろうな?不安だ。

 もうあんまりライカの悪口いいたくないのだが、こう度々だと「怒ってしまう」というより「笑ってしまう」(イヤ、とほほほほ、と「泣いてしまう」)。いくらライカはマニア向けの趣味カメラとは言っても、こんな作業を「ライカのお作法」として楽しむ程、私もお人好しのアホではない。少なくともプロ用機材としては信頼感0。やっぱりライカはシンプルで堅牢な銀塩機械式カメラしか信頼出来ないのか。

 大阪だけに、締めは「そんなアホな」「ええ加減にしろ」「もうええわ」「ありがとうございましたあ〜〜〜」かあ。


L9999990_3

(東京の新しいランドマークとなる、東京スカイツリーと東京ゲートブリッジ)