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2009年8月5日水曜日

オリンパス・ペン E-P1でレンズグルメ

E-P1のアドバンテージの一つに、レンズアダプターを介して様々なレンズで撮影を楽しむことが出来ることがあげられる。フォーサーズでは焦点距離は35mm版の2倍、すなわち50mm標準レンズは100mm中望遠レンズとなるので、広角撮影にはやや不利だ。しかし望遠、マクロでは結構迫力のある撮影を楽しめる。

E-P1購入と同時に、所有するフィルム時代レンズ資産活用という観点から、旧オリンパスOMシリーズレンズ用アダプター(オリンパスから純正として販売)と、ライカMシリーズレンズ用アダプター(パナソニックから純正として販売)をゲットした。

まず、フィルム時代の一眼レフのOMレンズ群の中では比較的新しい90mm f.2マクロレンズを試してみた。焦点距離は180mmとなりかなりの望遠効果がある。小さなボディーに重いレンズという組み合わせで、手ぶれが心配だが、E-P1は絞り優先モードにセットすると露出補正も手ぶれ補正(さすがボディー内補正システム。マニュアルで焦点距離は入力すればok)も使える。装着した姿はやはりレンズがでかくてバランスが悪いが、結構戦闘的なカメラに見える。液晶モニターでのピント合わせも思ったよりきちんと出来る(ついファインダーをのぞこうと眼をカメラに寄せてしまう癖が抜けないのが笑えるが)。また撮影結果をクローズアップでピント確認出来る。下の写真(ズミクロンのクローズアップ)は手持ちで撮影したが、暗い光源下でも手ぶれせず、ピントもきちんと来ている。なかなかやるね。

続いて、ライカのズミクロン35mm F.2(ドイツ製8枚玉)という伝説のレンズ。ワクワクする。E-P1に装着したその姿はなかなか決まっている。かなりライカチックなスナップカメラに仕上がり、心をくすぐる。レンジファインダーカメラ用のライカレンズがデジカメの液晶モニターを通して画像を結ぶ姿は感動だ。伝統的なライカファンから見れば噴飯ものだろうが、8枚玉ズミクロンの画像がライブで見れるようになるという事は、ライカにとっても時代の転換を意識せざるを得ない事実だ。

それにしてもこのズミクロン、約50年ほど前の古い設計のレンズだが、実に解像力、ピントのキレ、ボケの美しさ、どれをとっても秀逸で、あらためてうれしくなる。金属鏡胴に指掛けと無限大ストッパーのついた凝った造りの距離リングも、経済合理性よりも、手間ヒマかけても最高の品質、高品格なものを造ろうと意気込む職人思想がにじみ出ている。趣味人にとって至福のときだ。このあたりのモノ造りに対するこだわりが日本製カメラとの思想の違いだ。

最短撮影距離は70cmだが、焦点距離が70mmとなる(画角が狭くなる)ので、結構クローズアップ効果を得る事が出来る。フォーサーズの威力か。本家のライカM8だと焦点距離は1.3倍となるのでもう少し広角で撮影出来るが、それよりもE-P1のボディー内手ぶれ補正や、ISO高感度ノイズ補正、ライブビューの機能の便利さは、やはりうれしい。そして、画造りの基本である画像処理エンジンもM8より優れていると思う。何度撮ってもM8のホワイトバランスやISO感度ノイズは気になる。

まだまだ遊び足りない。E-P1はこうした様々なレガシーな単焦点レンズをつけてじっくり撮る「写真機」でもある。「蔵」からオールドレンズを出して、カビ掃除してセッセと遊ぼう。ちなみにオールドライカマウントレンズ(スクリューマウント)もL/Mアダプターを介して装着、撮影可能である事は言うまでもない。

(下の写真、上段2枚がOMズイコー90mmマクロで撮影したライカズミクロンのクローズアップ写真。下段2枚は、そのズミクロンで撮影したもの。いずれも手持ち、アベーラブルライト撮影、かなり暗い状況での撮影にも関わらず、手ぶれもなく、特にオールドズミクロンの解像力、ピントのキレ、ボケに注目!)

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