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2019年3月31日日曜日

皇居乾通りから千鳥ヶ淵へ(第一章) 〜華のお江戸は桜花爛漫!〜



 2014年に始まった恒例の春と秋の皇居乾通りの「一般公開」が今年も実施され、坂下門から乾門までの800mの乾通りを通り抜けた。普段入れない皇居の敷地内に入れるのは、この春と秋の通り抜けと、新年や天皇誕生日の一般参賀の時だけである。我が家にしては珍しく、3月30日(土)の初日に参加。いつも「激混み」のニュースが聞こえてくるので早めに行ってみることにしたら大正解。花曇りで肌寒い1日であったことも幸いしたのか、待ち時間0分で流れに乗ってスムースに入ることができた。地下鉄二重橋駅近くの皇居前広場が集合地点になっていてそこから坂下門まで歩く。広場には規制線がとぐろを巻いていたが、今日は誰もここで待機させられることなく閑散としている。時間帯によってはすごい行列になるのだろう。並んだり待たされるくらいなら行かない方がマシ、という東京生活には極めて不向きな性格の私には嬉しい事態であった。

 坂下門を入ると、左に新宮殿がちらりと見える。ここでは外国大使の親任式や賓客との接受が行われるが、我々国民にとっては一般参賀が行われるほか、父の叙勲の時はここで親授式が行われた。その隣には宮内庁の風格ある建物が。コレは坂下門外から見えている建物だ。ここから並木道が続く。桜の本数は72本とそれほど多いというわけではないが、種類が多く手入れがよく行き届いている。さすが皇居内である。どれも満開を迎えている。通りに沿って歩くと、右手に蓮池濠と富士見櫓、富士見多聞が連なる。どれも現存する江戸城の遺構である。この堀と高い石垣と多聞櫓に守られているブロックが江戸城の本丸があったところ。今は東御苑として一般公開されているところである。ちなみに乾通りはかつての江戸城の西の丸、紅葉山、現在の吹上御苑のあるブロックを南北に通っている。徳川江戸城の時代と異なり、明治以降はこちらが皇居/宮城として整備された。桜や紅葉もさることながら見事な江戸城本丸の外観を西の丸側からを楽しむことができるのも乾通り散策の楽しみの一つだ。左手には太田道灌時代の遺構である道灌堀とその傍らの桜と新緑が美しい。秋は紅葉の通り抜けがある。コレもそれほど本数があるわけではないが見事な枝ぶりの木々の紅葉が楽しみである。この季節は紅葉の新緑が美しく、桜色とのカラーコラボレーションが素晴らしい。手入れの行き届いた常葉の松も見事で、高石垣と多聞櫓の白壁を背景にした松の古木のシルエットも風格を感じる。出口の乾門が近づくと、西詰門を右手に折れて東御苑(すなわち本丸)に抜けることもできる。このまま真っ直ぐ乾門に向かって進むと、右手に深い乾濠が見え、石垣に囲まれた堀に隔てられた本丸、天守台跡へと渡る橋が目に飛び込んでくる。結構な深さの堀に架けられている。北詰橋だ。いざとなると橋を落として本丸を守る、という防備の構造がはっきり見て取れる。江戸城はやはり守りの城なのだと認識させられた。

 乾門を出ると、突然人が多くなる。そう、ここは北の丸公園の南の端、ここからは東京の花見の人気スポット千鳥ヶ淵であるからだ。途中旧近衛師団司令部の赤レンガの建物を右に見て、首都高速を脚下に見ながら千鳥ヶ淵戦没者墓苑に向かう。この辺りから、靖国神社までのお堀濠端の狭い土手道「千鳥ヶ淵緑道」はギッシリと花見客で埋め尽くされる。この雑踏については改めてここに記述して紹介するまでもないだろう。桜満開といえばの恒例の光景である。一つ感じるのは以前に比べて訪日外国人観光客や在日外国人家族などの姿が多くなったということ。確かに彼らにとって、桜と皇居と雑踏、コレぞNippon !なのだ。

 (この続きは第二章で)



皇居前広場

坂下門


新宮殿

宮内庁



柳の新緑

江戸城富士見多聞


道灌濠


乾門に向かう人の波

常葉松


本丸に繋がる北詰橋


モミジの新緑とのコントラスト



皇宮警察
警備ご苦労様です


乾門

乾通り通り抜け案内図
皇居の航空写真