今年は閏年。その2月29日に大船フラワーセンターの早咲き桜を見に行った。この季節の早咲き桜といえば河津桜が有名だが、これは「玉縄桜」と言って、ソメイヨシノから改良された品種だそうだ。今がちょうど満開で見頃とのことでカメラを担いで駆けつけた。平日の真昼間ということもあり、入場者はシニア層が中心で、広い園内は閑散としている。そこに満開の玉縄桜を見つけた感動はひとしお。あいにくの曇天ではあったが、混雑に巻き込まれることもなくゆっくりと花見を楽しむことができた。
そのほかにも、ここには多種多様な花が育てられており、巷では、花の主役が梅から桜へという切り替わりの季節を迎えているが、多くの花々がその生命の輝きを放ち、その存在感を主張している。前回は、去年5月のバラの季節にここを訪れた。その時にも感じたが、ここは日比谷花壇の運営だけあって、四季折々の花が絶える事なく見事に咲き誇っている。さらに、元は神奈川県の農業試験場であったこともあり、ここで品種改良されたオリジナル種が多いのも大きな特色の一つである。前回見たツツジ、シャクナゲもそうであったが、今回の玉縄桜もここの生まれである。
今回のハイライトはこの玉縄桜であるが、この他にもツバキ、ナノハナ、それにクリスマスローズ、モクレン、フクジュソウ、スノーフレイクなど、早春の花々が見頃。またグリーンハウスでは、県内の園芸農家が開発した新種のラナンキュラスやスイートピーなどの園芸品種が展示されており、その多彩さと珍しさに心奪われた。
去年の探訪ブログ第一弾。2023年5月20日大船フラワーセンター探訪 この時はバラとシャクナゲが満開!
1)玉縄桜
当センターで生まれたオリジナル品種。ソメイヨシノの実生から選抜して育てた早咲き桜の品種。ここには原木がある。ここの地名「玉縄」にちなんで命名された。確かに薄いピンクでソメイヨシノの風情を感じるが、花つきが多重で、まだ寒い季節だけに着込んでいる感じがする。河津桜のような濃いピンクではない。2月下旬から3月上旬が花期で、長く楽しめる。
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玉縄桜の原木 |
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花の姿はソメイヨシノに近い |
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桜と菜の花のコラボ? |
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菜の花が真っ盛り |
2)椿園には、珍しい品種やここで改良された株が見られる。全部で120種あるというが、その全てを確認識別することはできない。ヤブツバキだけでも色々な種類があることを知った。我が家にあった「絵日傘」のような斑入りの花は少なく、どれも交配種であるようだ。五島原産の「玉の浦」が見つからなかった。どこかにあるのかもしれないが。
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「しらぎく」珍しい |
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「台湾ツバキ」珍しい |
3)早春を彩る樹木や野花たち。園内には3000種もの花があるそうだが、一回の探訪でとても全部を鑑賞し尽くすことは至難の業。ほんの一部だけ紹介する。
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スノーフレーク
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キバナセツブンソウ |
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フクジュソウ |
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サンシュユ |
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マグノリア・モウディアエ 純白の花
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ウンナン・オウバイ |
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ウンナン・オウバイの樹相 |
4)グリーンハウスでは園芸品種の展示、育て方講習が行われている。神奈川県内の園芸農家が開発した珍しい品種が並び、華麗で美しい。春の訪れを感じさせる楽しい企画イベントだ。こうした花のある生活を提案してくれるのが嬉しい。
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グリーンハウス |
① ラナンキュラス特集
キンポウゲ科であるが、一言にラナンキュラスと言っても、実に多様な園芸品種が開発されている。ウィリアム・モリスのフローラル模様の世界を彷彿とさせる。県内の生産農家による力作の出展で、育て方、楽しみ方講座も開設される。
② スイートピー特集
こちらも園芸品種が多彩で 珍しい色のスイートピーも。こちらもアレンジメントなどの楽しみ方教室が開かれていた。
③ シクラメンの園芸品種
普段、花屋さんの店頭では見かけない珍しいシクラメンが並んでいる。
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これもシクラメン |
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アカシア・プアマニー オーストラリア産で、ミモザの変種か |
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大船といえば観音様 玉縄桜が御足を彩る |
(撮影機材:Nikon Z8 + Nikkor Z 24-120/4)