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2024年7月14日日曜日

「カメラの聖地」大井町散策 第二弾 〜ついにニコンが帰ってきた!の巻〜

ニコン新本社/イノベーションセンター(報道発表資料から)

工事中の新本社屋(6月7日現在)



時空トラベラー  The Time Traveler's Photo Essay : 「カメラの聖地」大井町散策 〜Nikonのある町〜: こんな昭和な街並みも残る  大井町と聞いてどんな街をイメージするだろうか? 競馬場?大井埠頭?元京浜工場地帯?大井町阪急?きゅりあん? 鉄道ファンなら(といっても中高年以上)国鉄大井工場か。少なくともさしたる名所旧跡も見当たらないし、はやりのお洒落なお店もないの...(2017年3月10日のブログ)

ニコンは7月11日、今月7月29日に新本社とイノベーションセンター(研究開発センター)を港区港南から品川区西大井に移転、開業すると発表した。Nikon Fなどの歴史的な名機を生み出した旧大井工場跡地という、ニコンの前身の日本光学工業の創業(大正6年)の地である。2017年の工場取り壊しの後長く空き地になっていたが、2022年から新社屋建設工事を始めていた。

ニコンファンにとっては、ライカが創業の地ウェツラー:Wtzlarに本社、ライツ・パーク:Leitz Parkを開業したのと同様の感動を持って迎えられる出来事だ。日独のカメラのライバルであり、世界の二大ブランド、ニコンとライカが、ついに創業の地に戻った。ライカといえばWetzlar Germany、ニコンといえばOi Japan。これは歴史的なことだ。ライツ・パークは今やウェツラーの名所となっており、世界中のライカファン憧れの聖地となっている。この『ニコン・パーク』もニコン・ミュージアムを併設するので、大井は新たなニコンファンの『聖地』として世界から巡礼者が多く訪れることであろう。スマホ全盛時代にあっては、ハイエンド・カメラはイノベーティブな精密機器であるだけでなく、高級ブランドカメラとして、特にブランド価値の高いニコンやフジフィルム、ライカは高い付加価値を持つ商品を生み出す企業に変容しているのだ。憧れのカメラの聖地をめぐる旅。これはマニアにはたまらない。

と同時に、地元住民としては、かつて『京浜工業地帯』の中心の一つとして賑わった大井町に、ニコンの最新の研究開発センターとミュージアムを備えた新本社が戻ってきたことは歓迎すべきことである。ニコン社員の通勤ルートであったJR京浜東北線大井町駅から続く「光学通り」の先に、文字通り光学機器のメッカが再生されたわけだ。現在ではJR横須賀線、湘南新宿ラインの西大井駅が開業し、新本社はその駅前に位置するので、こちらが最寄り駅となる。かつての貨物専用の品鶴線が通る昭和なモノ作りの工場地帯から、大井町、西大井が世界のニコン、レジェンドとイノベーションの中心に進化する第一歩であることを祈りたい。地元にそれほど大きな雇用を創出することはないだろうが、高度成長期の活気が去り、シャッター通り商店街が連なるワクワク感が薄れていたこの地域に、新たな『輝き』が生まれることを期待したい。

ちなみに、ニコン経営陣にそんな『聖地』回復!などという意図があるのかどうかは分からないが、地元のニコンファンはこのように勝手に興奮し舞い上がっている次第である。


2024年7月11日 ニコン報道発表資料











JR西大井駅

ニコン報道発表資料より


(撮影機材:Nikon Z8 + Nikkor Z 24-120/4)