東京へ帰ってきてはや半年が過ぎた。大和路や京都の秋を愛でる気持ちはいささかも衰えないし、望郷の念に近いノスタルジアさえ覚える今日この頃だが、東京という近代的で忙しい大都会で、普段仕事や生活で行き来している皇居のお堀端や東御苑、東京駅赤煉瓦駅舎や行幸通り、日比谷公園を散策してみると、東京都心の秋もまんざらではないことを再発見する。もちろん名人の域に達する庭師や樹木医の手がしっかり入った京都の庭園や、自然のなかにおおらかに佇む奈良大和路の紅葉・黄葉は本当に美しい。しかし、ヒートアイランド化した都心の数少ない緑の中に点在する「錦秋」の発見は、その意外性もあってか、大きな感動を覚える。日常の雑事に忙殺される都会生活の中で接する非日常体験である。その気になれば、いたるところに「美」を発見することが出来る。江戸の武家文化と、明治の帝都東京の名残が、現代のGlobal Village Tokyoに確実に引き継がれている。
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日比谷公園の紅葉・黄葉 |
(撮影機材:Nikon Df+AFS Nikkor 28-300mm, SONY RX100)