今年の紅葉は例年にない美しさ。
夏の猛暑で木が傷み、秋は短く寒さが急にやって来た今年。
こんなときは紅葉はどうなるんだろうという心配をよそに、例年よりやや早く紅葉のシーズンがやって来た。それも鮮やかな赤や黄色の織りなす錦繍の秋。日照時と夜の寒暖の差が大きく,うれしい予想外の鮮やかな赤が浮かび上がって来た。
関西に住む人の特権の一つは、この紅葉のシーズンを堪能出来ること。紅葉の名所がいたるところにある。特に奈良、京都の歴史を彩る紅葉風景は時空の旅人をワクワクドキドキさせる。もっとも短い期間にすべてを回ることが出来ないのが悩みの種。こんな贅沢を言える幸せ...
それでも,今年の秋は高野山に始まり,室生寺、談山神社と巡ることが出来た。談山神社は奈良の紅葉名所としては超有名どころで、訪れた当日は車の大渋滞と人出でまいったが、その割にはイマイチであった。かえって桜井からの行き帰り、渋滞でのろのろ運転のバスの窓から見たの路傍の紅葉が素晴らしかった。
去年は京都東山の南禅寺、永観堂、真如堂、今戒光明寺の素晴らしい紅葉を楽しんだ。今年は少し違う場所を探訪しようと三室戸寺を訪ねることにした。
ここ京都宇治の三室戸寺は、ツツジ、石楠花、紫陽花、蓮、そして紅葉で有名な花の寺。京都は紅葉の名所が多いが、シーズンの人出でも有名だ。何しろ東京からも新幹線で2時間程で来れる。JRの「そうだ京都へ行こう」などと言うTVCMに誘われる東京の住人がいかに多いことか。
幸いなことに三室戸寺はそれほどの混雑もなく,ゆっくりと紅葉を愛でることが出来る。穴場と言うにはちょっと有名過ぎるが,意外な穴場かもしれない。
三室戸寺は西国観音霊場十番札所。約千二百年前の光仁天皇勅願により、千手観世音菩薩を御本尊として創建されたお寺である。京阪で中書島乗り換えで宇治線三室戸下車。徒歩15分。
あまり能書きは要らないだろう。とにかく稀に見る今年の美しい紅葉スライドショーをご堪能下さい。
暮れはつる 秋のかたみにしばし見ん 紅葉散らすな御室戸の山 ーーー西行法師