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2020年2月8日土曜日

早咲き桜を愛でる伊豆散策(1)〜「白浜桜の里」は伊古奈桜が満開!〜

伊豆大島を背景に


 今年は暖冬である。都心では年末に雪が散らついたくらいで冬らしさが感じられなかった。冬には珍しい前線の影響で晴れたり曇ったりで雨も多かった。関東平野独特のカラリとした晴天の冬というわけにはいかなかった。こうしたことから桜の開花が早そうだと言われているが、2月に入ってようやく氷点下の気温になるなど寒さが遅まきながらやってきた。それでも伊豆半島も下田あたりまで来ると温暖で長閑な風土で、水仙が一斉に咲き誇り早春の佇まいが心を和ませてくれる。なんと言っても相模湾から流れてくる海の風が柔らかい。そろそろ伊豆は桜の季節だ。

 早咲きの桜といえば。伊豆河津の河津桜が有名だ。毎年2月中旬から咲き始め、3月上旬までピンク色の桜が河津川の土手を覆い尽くす。例年2月10日頃から始まる「河津桜祭り」で、普段は静かな町が賑わう。しかし今年は10日を待たず、早くも満開を迎えつつある。河津桜はこのブログの第二部でご紹介する。伊豆にはそれよりも早く開花する桜があるのをご存知だろうか。下田の「白浜伊古奈桜」である。一月下旬には開花し2月に入ると満開になる。下田市白浜に咲き誇る早咲き種だ。下田の白浜海岸といえば美しい白砂の海岸線でまるで海外リゾートのような景観が人気の夏の海水浴場である。それと伊豆で一番古い神社白浜神社で知られるが、実はここに知る人ぞ知る「白浜桜の里」がある。地元の個人の方がいく種類かの桜を交配して育てたのが「白浜伊古奈桜」。河津桜が濃いピンク色であるのに対し、伊古奈桜はやや薄いピンクで可憐な感じだ。それを自分の所有地に植えて桜の園を作った。これが「白浜桜の里」だ。そのシーズンになると無料で開放している。ネットで調べるとすでに満開だとのこと。下田からバスで行ってみた。ちょっと分かりにくいが、白浜神社バス停から高台に進むこと徒歩5分。階段を登ると見事な桜の園が広がる。相模湾を望む高台にある。展望台からは満開の桜を背景に遠く伊豆大島を望むことができる。伊古奈桜や在来種の大島桜、伊豆土肥桜、朋華などの早咲きの新種が今を盛りに咲き誇っている。折しも水仙の季節。黄水仙やラッパ水仙が、ピンクの桜を背景に輝いているのも素敵だ。とても綺麗で地上の楽園とはこういうところを言うのだと感動する。観光客がまだ押し掛けてこないので静かに時間を過ごせるところも気に入った。

 伊豆にはこうした地元の方が丹精込めて育てた桜の新種が楽しめるところがある。河津桜も今やメジャーな品種となっているが元は個人の方が長年育ててきた新種の桜。伊古奈桜はまだ河津桜ほどには知られていないが、こうした丹精込めた新品種の開発、育成が地道に行われていることに敬意を評したい。こうした「知る人ぞ知る」桜守の里も口コミで広がり、だんだん訪問客が増えてくるだろう。最近は下田市観光協会の案内にも取り上げられているので早春の観光メジャースポットになってゆくのだろう。それとともに車が閑静な住宅地の路地にまで押し掛けたり、路上駐車したり、住宅地に入り込んで写真撮ったり、観光客のマナーが問題になっていくのだろう。あまり知られないうちに行く方が良さそうだ。そう言いながらこんなブログで紹介しているのだから、自分だけの秘密にしておくことはできない隠れた名所というわけだ。







白浜海岸

辺りには伊豆独特の古民家が

「白浜桜の里」入り口
ここから階段を登ってゆく
無人売店には新鮮な野菜やみかんが


白浜伊古奈桜

相模湾を望む高台に広がる早咲き桜の園




メジロのスナップ集:







伊豆土肥桜


朋華桜



黄水仙












朋華
白浜桜と土肥桜の交配種




白浜神社

御祭神は「伊古奈比古命」
伊豆国一宮



アクセス:伊豆急下田駅から東海バス乗車で約15分。白浜神社下車。山側に徒歩5分。

(撮影機材:Leica SL2 + Vario Elmarit-SL 24-90/2.8-4 + Lumix S-Pro 70-200/2.8)