暑い、暑い、連日の猛暑。35℃越えも珍しくない毎日。
信貴山朝護孫子寺は国宝の信貴山縁起絵巻図で有名だ。
近鉄上本町からは大阪線河内山本まで準急で。そこからは信貴山線にのりかえ、二駅目の(終点の)信貴山口まで。ここの線は電車が二両編成で20分ごとのピストン輸送してる。信貴山口からは今度は西信貴山ケーブルで高安山へ。そこからさらにバスで15分程。ちなみにこのバスは40分毎に出発。別にケーブルカーにも連絡していない。
関西の人たちには人気のご利益満載の寺にしてはなんと行きにくいこと。
もっとも、クルマで行けば早いとか。たしかに立派な有料道路と広々した駐車場が整備されている。従って私のとったルートで行く人は少ないのか、ケーブル+バスの乗客は私含めて4名。どんなに寺は空いてるかと思いきや、結構な人出。やっぱりクルマかあ。
私のように基本が徒歩の旅人にはこのゆるゆるした時間効率の悪いプロセスも楽しみの対象だ。そもそも旅はそのプロセスも重要な要素だから。
朝護孫子寺はトラが守護神。今年は寅年で私は年男。やっとお参りに来ることが出来た。入り口におなじみのシンボル「世界一の大福寅」が参詣の人々を迎えてくれる。しかしこの寅、よく見ると新しいものだ。大阪で商売やってる人の奉納だ。大阪やなあ。
縁起を見ると聖徳太子ゆかりの古刹だが、山上の寺域には様々な現世利益の仏様や神様が所狭しと並んでいて多くの参詣客で賑わっている。ここだけは明治期の神仏分離の影響を受けなかったのか、寺の入口に大きな鳥居が立ち、灯明燈籠がずらりとな並ぶ。大きな栢ノ木がご神体の栢ノ木稲荷など古代精霊信仰の名残だろう。
関西ってなかなかに日常の生活の中に社寺詣でが重要な行事として入り込んでいて面白い。大阪や京都の街中にもあちこちにお地蔵様が祀られているのを見ることが出来るくらいだ。多くの善男善女はそれぞれに家内安全、商売繁盛、不老長寿、健康増進、恋愛成就、安産etc.をお願いする為にやってくる。ここはなにからなにまでone stop shoppingで祈願出来る場所として賑わっている。それが行楽と兼ねている所にお寺参り、神社参りの原型を見るような気分がする。
本堂の舞台からは奈良盆地が見渡せる。気持ちいい。新たな人生の発進と行くか。トラトラトラ。