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2010年12月11日土曜日

ライカの名(迷)玉 ズミルクス35mm f.1.4の威力

 ライカの名(迷)玉、ズミルクス35mm。個性的な写りで有名なレンズで、ポートレートなどでそのソフトフォーカスレンズ的な写りは私もハマっている。師走に入りクリスマスムードも高まる街角でのスナップで思わぬやんちゃぶりを発揮してくれたのでご紹介したい。ちなみにこのレンズはLeitz Canada製。銀鏡胴、無限大ストッパー付き、OLLUXフード付きの美品。レンズ自体も工芸品だ。ボディーはM9。

場所は大阪上本町。8月に新装開店なった上本町YUFURA。12月に入ってクリスマスイルミネーションが点灯となった夕刻5時頃、夜景が美しくなる季節だ。

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開放1.4での撮影。中心部のピントはしっかりしており、背景の点光源のボケは円形で美しい。しかしレンズ周辺部(特に左下のご注目)は点光源が流れてぐるぐる巻きになっている。

Summilux_35_f
同じく開放1.4で撮影。文字部分はふんわりとしたソフトフォーカスっぽい写りで、ズミルクスの特色が表れている。その周辺が渦巻き状膨らんでいるのがおもしろい。すだれ状にぶら下がっているLEDのイルミネーションなのになんでだろう?

Summilux_3514_f5

Summilux_351
左上の写真は絞り5.6、左下の写真は絞り開放1.4で撮影。

下部のLEDイルミネーション部分の写りに注目。絞るとクリアーに写るが、開放ではやはり点光源が流れてぐるぐる回りになっている。全く違った表現になるのが不思議だ。

これを欠点と見るか特徴と見るか。欠点と言えば欠点だろうが、しかしそれをレンズの特徴として活用する方が面白い。現行のズミルクスはもっと現代的な写りで、こうした「欠点」も解消されているようだが、とにかくこんなにはっきり個性的なレンズはもう世の中に出ないだろう。

非球面レンズ、異常分散ガラス、多層膜コーティング、フローティング機構など、最新の贅沢な技術をふんだんに導入した最近のライカレンズではこのような個性は発揮出来なくなってしまった。良いことなのかどうなんだろう。