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2010年9月5日日曜日

時空トラベルのゲートウエイ タイムスリップホール発見!

 九州の佐賀、福岡を巡って、ANA便で大阪へ帰る。9月になっても猛暑の続く中での出張。疲れた体を狭い座席にゆだね、ぼんやりと積乱雲が林立する高度一万メートルの世界を見つめていた。

 すると、薄暮の空の東の一角から茜色の光が射しているのを発見した。不思議な光景だ。時刻は午後6時半。太陽はまさに沈まんとして西の空を茜色に染めているというのに、機の行く手、東の空に夕焼けのような光芒が....  思わず吸い込まれていきたいような衝動に駆られる光景だ。

 そう、これが時空トラベルへの空の玄関口、タイムスリップホールなのだ。あの光は時空を超えた彼方の異次元世界から漏れ出ている光なのだ。話には聞いていたが、これがそうなのか... 初めて見た。
 後ろに座っていた乗客が「あれは何?」と不思議な光芒に声を上げていた。

 過去に飛行機が行方不明になって、機体も発見されなかったケースがいくつかあるが、これら消息不明機のほとんどは、このタイムスリップホールに突入したのだという。星の王子様のサンテグジュペリも北アフリカを飛行中に行方不明になっている。おそらくこのホールに飛び込み異次元世界へワープしたのだのだろう。意図的にであるのか、アクシデントだったのかは分からないが。

 私の乗ったANA機は、このホールを右手に見ながら、そのまま一路伊丹空港へと飛行を続けた。異次元世界からの光芒はやがて機体後方へと消えていった。あのまま突入していたら、と思うとワクワクするような、残念なような、恐ろしいような... 機長のこの時のタイムスリップホール突入回避の判断はおそらく正しかったのだろう。乗客を異次元世界に連れてゆくのではなく、日常世界に何事もなく送り届けるのが彼のミッションなのだから。

 ふと気づくと、機は大きく旋回して伊丹空港へと着陸態勢に入っていた。すっかり日が落ちた下界には生駒山の黒々とした暗黒の部分と、人々の生活の営みを象徴する明かりに溢れる東大阪の町がくっきりとした境界を隔てて広がっている。

「ああ良く寝た。もう大阪か...」

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「現?」

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「夢?」

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「現?」