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2016年6月4日土曜日

浜離宮恩賜庭園 梅雨入り間近の大名庭園散策


 都内大名庭園めぐり。今日は浜離宮恩賜庭園。徳川将軍家の浜御殿から皇室の浜離宮へ。そして都民の公園へ。

 元は甲府宰相の江戸屋敷であったが、将軍家に移された。四方を掘りに囲まれ石垣があり、徳川将軍家の唯一の別邸である。しかしその構造から見て、江戸城の出城として造営されたことがわかる。江戸時代には鷹狩りが行われた。ほかに2箇所の鴨場があり、今でも皇室行事の鴨狩が行われる。

 庭園の中心にある池は、都内に残る唯一の潮入池、すなわち海水を引き込んだ池だ。ボラがジャンプするのが見える。どうりで、日本庭園なら典型的な池畔の菖蒲などの淡水生植物が見えない訳だ。菖蒲は池から離れたところの密集して植えられている。橋に繋がれた中島の御茶屋は公開されていて、この日も外人観光客の人気をさらっていた。このほかにも、当時の茶屋が次々に復元されている。2010年(平成22年)松の御茶屋、2015年(平成27年)燕の御茶屋が再建された。明治になって迎賓館として利用されのちに取り壊された延遼館も、2020年に再建され、再び迎賓館として使用される予定。

と、ガイドブック的な説明はできるが、なぜか「時空トラベラー」としてウンチクを語るエピソードがない。あまり歴史的な出来事の舞台となった形跡がない庭園だ。将軍家の御殿でいわば禁断の園だったからかもしれない。延遼館は元は新政府の海軍練習所として建てられた石造りの建物で、これを改修し迎賓館として利用した。英国皇太子や米国グラント大統領などが滞在したそうだ。いまは荒れ果てた空き地が虚しく広がっているだけだ。浜離宮庭園はいまや汐留の再開発に伴い、高層ビル群に囲まれた大名庭園という独特の都市庭園の景観と成っている。その現代と江戸時代のコントラストが人気となっていて、皇居周辺と並んで外国人観光客が多い。ちなみに再開発された汐留操車場跡は新橋停車場のあったところ。当時の駅舎が復元されている。

 西日本は梅雨に入ったようだ。関東も明日からいよいよ梅雨入り。その直前の晴れ間に菖蒲が咲き誇る。紫陽花はもう少し先だろうか。帰りに歩いた銀座の電通通りの歩道沿いの花壇に紫陽花が咲き誇っていた。気がつかなかったが、ここは意外な紫陽花の散歩道だったんだ。




現代と江戸時代の景観コントラスト

富士見山から眺める潮入りの池

松の新緑が目にしみる

菖蒲が盛りに



紫陽花はもう少し先




平成22年に復元された「松の御茶屋」
平成27年に復元された「燕の御茶屋」前のツツジ

「中島の御茶屋」

以下はおまけの写真。Finally but not least. 銀座の紫陽花が綺麗だった。意外な紫陽花ストリートに感激!