東京には緑が無いという。自然が残っていないという。都市化は人間による自然破壊だ。いや人間は自然を征服したのだ。しかし、破壊され征服されたはずの自然は、都会の片隅で密かに息を潜めている。人間がその経済活動、社会活動、生活の営みを少しでも放棄すると、たちまち人工物は自然に飲み込まれてゆく。その勢いは凄まじい。人間は自然を征服したなどと奢っているが、自然はせせら笑っている。気候変動による環境破壊といっても強かに生き残るのはは植物。温帯モンスーンの日本、いや亜熱帯になりつつある日本では、都市が衰亡すると砂漠になるのではない。緑の原野になるのだ。過疎地の限界集落や里山や棚田が放棄されると山林や原野に戻るのと同じことが都市で起きる。人口減少、経済活動の衰退、人口流出が続けば大都市も同じ運命を辿る。すでにその兆候は普段の生活圏で目にすることができる。見よ!蔦性植物の強かさを。苗木市で買ってきた庭木だって母屋を破壊する。グリーンモンスターの逆襲が始まる。
ふと「時空トラベラー」は古代の「東京」へのワープを開始する。武蔵野台地を馬に乗った坂東武者が駆け巡ったあの草深い武蔵国(むさしのくに)を妄想する。あの天離る(あまさかる)鄙の地を。その光景が脳内で近未来の「東京」のそれとかぶる。
「見渡す限りの茅やススキが波打つ果てしない原野。それが武蔵国である。古歌に歌われるように「武蔵野の草葉に隠るる心地して」。一度足を踏み入れれば、背丈を超える草叢に行く手を阻まれる。地平線まで遮るもののない原野には、ひとたび風が吹けば地鳴りのような音が響き渡り、沈む夕日はただ草の海へと溶けていく。主人の居なくなった苫屋は蔦に覆われて原野に戻って行く。そこにはただ風が吹いているだけ」
by 蔦唐麻呂
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| そして渋谷が......(ChatGPTに描かせるとこんな光景が) |

















