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2021年3月26日金曜日

今年の桜巡り(1)目黒川、大森貝塚庭園 〜「春爛漫にボヤいてばかりの無粋をお許しください」の巻〜

 


今年は桜の開花が早く3月15日に開花宣言。23日には都内で桜満開宣言が出た。そしてまさに春爛漫、今日は花曇りだが都内の桜は見事に咲き誇っている。しかし、コロナ禍で遠出は自粛し、都内の桜の名所も避けてご近所の桜を楽しむことにしよう。一方、新型コロナ感染者数は下げ止まりから、反転して再び増加傾向にある。明らかな第四波の到来と言って良いだろう。そこへ変異ウィルスもあれよあれよと言う間に拡大し人々の不安を助長している。とてもパンデミック終息の兆しは見えてこない。なのに何故か21日に「緊急事態宣言解除」とな。その意思決定は「躊躇なく」行われたが、国民への説明は決して「丁寧」ではない。病床逼迫が緩和されているからと言ってるがそうなのか?重症患者数も増えているではないか。ネット上ではどうせ宣言出してもみんな守ってないじゃん。言うこと聞かないから解除しても同じ!?などという投げやりな見解まで出る始末。実際、宣言中と宣言解除後の街中の人出は全く変わらない。「解除しても人が増えなかった」のではなく、「解除する前から人出で溢れていた」のだ。なるほどその通りだと妙に納得する。日本は「民度の高い」国ではなかったのかい?「やってもダメだから諦める」というのは、まるで勉強しても成績が上がらないから受験諦める。練習しても記録が伸びないから運動やめる。なんだかそんな出来の悪い中学生のような言い訳だ、とどこかのコラムニストが言っていた。笑えないが、笑える。

一方日本ではワクチンの確保が進んでいない。いやはっきり言えばワクチン確保に失敗している。アメリカでは大統領自らが全国民に7月末までにはワクチン接種ができるようにするとコミット。実際に接種はハイペースで進んでいる。すでに私の周りの米国在住の家族、友人達は2回目の接種も終えている。日本ではワクチン担当大臣とやらが欧米の製薬会社と「必要数の供給で大枠合意(ってなに?)してるから心配いらないよ」。「しかしEUの輸出承認手続きが遅れるかもね」「4月から始めるけど入ってくる数は少ないだろうね」と他人事のような答弁。もっともこんなタワケたこと言っているK大臣は次の総裁候補から外すために「言わされている」という観測も。そんな政治絡みが重要で国民の命と健康は二の次ということか。現にワクチンが各国で奪い合い、囲い込みの状況になっており、我が国では現時点では人口の0.1%分しか確保できていない。4月下旬には高齢者全員に接種を始め、それに続いて希望する国民全てにワクチンが行き渡るなどという目処は全く立っていない。そもそも自国開発、製造のワクチンすらない、全て欧米の製薬会社からの供給頼みという体たらく。これは極めて危険だ。日本は医療/科学技術先進国ではなかったのか?バイオ医薬品や感染症の研究開発分野では完全に遅れをとってしまっているだけでなく、日本製だと国内の治験数が限られていて承認ができない。海外で治験数を集めるのはさらに困難などと、厚労省の内部論理そのものを「言い訳」に自国開発や製造をやらない(できない)としている。平時の新薬承認ならともかく、欧米各国はパンデミック緊急事態対応として期限付きで早期承認している。だが日本の厚労省はそれをやらない。しかし海外輸入ワクチンについては特例で承認している。その意思決定ロジックがよくわからない。合理的な説明になっていない気がする。そう言うと「事情もわからん素人が推測で勝手なこと言うな!」と苦虫潰しながら批判する声が聞こえそうだが、それならほとんどが「事情もわからん素人」である国民にわかるように、やらない(やれない)「事情」とやらをしっかり説明しろよ!そもそも日本の感染者数は欧米やその他の国に比べて少ないのだし(と言っても46万人以上の感染者数と、9000人以上の死者が出ている)、「ファクターX」?の国なのでワクチンなど慌てなくて良いのだ、とタカを括っているようにしか見えない。感染は収束なぞしていないし、これから増えないと言う確証などどこにもない。いや第4波が始まっている。「早急な対策が求められる」はずなのに具体的に何かが動いている感じがしない。「国民に自粛をお願い」するばかりで「丁寧な」説明がないことにより疑心暗鬼を生み出しているではないか。だから「緊急事態宣言」といっても「オオカミ少年」にしか聞こえない。なのでか知らないが、今日からオリンピック聖火リレーが福島を起点にスタートした。こっちは、何がなんでもオリンピックはやる、という「強い意志」が剥き出しだ。「逆にやらない理由を聞きたい」などと居直るJOC委員や政治家が出てくる始末。アスリートのためにと言いつつ、何か政治絡みの匂いがする。それにしてもワクチン接種も含めてコロナ対策を周到に進めているなら、少なくとも日本はオリパラ開催準備万端整いました、と海外に向けて言えるのだろうが、それも混乱し各国に比べて大幅に遅れているにもかかわらずである。「やれる理由」を「丁寧に」ご説明いただきたいものだ。「民度の高い」国民の「自助」「共助」ばかりが期待されていて「公助」のほうはトント進んでいる気もしない...

ワクチン確保問題は、国の安全保障の問題だ。国民の命と健康を守れるかという極めて深刻な問題なのだから。ワクチンや治療薬を100%海外からの輸入に頼らざるを得ないことの危険性は今回よく分かったはずだ。にもかかわらずまだピンとこない人もいる。「平和ボケ」した我々日本人は、安全保障といえば日米安保、自衛隊、憲法九条問題だと刷り込まれている。北朝鮮のミサイル発射や武装中国公船の尖閣諸島領海侵犯は目に見える安全保障問題であるが、その最大の関心事は「有事に米軍が守ってくれるかどうか」という他力本願なものだ。しかしこのグローバル化し、デジタル化した時代の安全保障はそんなリアル空間の軍事的脅威の問題だけではないことに気づいているのだろうか。パンデミックも明らかな安全保障問題だ。国民の命に関わるものだし、一国の経済にも大きなインパクトを与えることは今更言うまでもない。LINEが個人情報のサーバーを中国や韓国に置き、開発からメンテを中国や韓国の技術者に丸投げしている事態が明らかになり問題となっている。これは個人情報流出、プライバシーの危機というだけの問題ではない。重要な国家情報や企業情報が覗かれる、ハッキングされる。我が国の司法権が行使できないところにデータやサーバーが設置される。サイバー空間の安全保障問題だ。ましてこうしたLINEのサーバー/データ管理が中国の国家情報法を知っての措置だとすると、これは明らかな民主主義への背信行為とみなされても仕方あるまい(会見で社長は、知っていたが認識が甘かったなどと答えている。寝ぼけているのか、とぼけているのか)。当然こうした事態を看過し放置してきた政府、行政機関、司法執行機関の責任は大きい。こんな個人情報の保護という問題だけでなく、安全保障、司法執行権の基本中の基本を理解しないで、便利だからと漫然とLINEを利用している国民も国民だが、ましてそんなLINEを行政サービスに使おうなどという国の機関や自治体の危機管理の脆弱さはさらに罪が深い。そんな自分で自分を守れない国を他国が本当に守ってくれるのか。

気がつくと、日本はこんな国になっていました。コロナが暴く「噂の真相」というわけか。「文春砲」はここでは轟かない。「誰と誰が呑んだ、食った」じゃあねえ。まあ、すっかりお花見気分が削がれたところで今年の「桜開花レポート」を終了する。というか桜の話は全くしてないで徹頭徹尾ボヤいただけなので、せめての罪滅ぼしに写真だけでもご覧あれ。桜は今年も綺麗に咲いた。桜が咲いた!めでたいめでたい!と浮かれたいところだが、そうはイカのなんとやらなのがこの春なのだ。残念!こうして春爛漫の季節につい品のないボヤキをカマす無粋をお許し願いたい。


1)目黒川(五反田〜大崎)











2)大井水神公園(線路沿い)















3)大森貝塚公園/東海道/京浜東北線沿線


モース博士胸像











(撮影機材:Leica SL2 + Vario Elmarit SL 24-90/2.8-4, Apo Vario Elmarit SL 90-280/2.8-4)