私の故郷は福岡。東京で生まれたが、父の転勤で生後1年経たないうちに福岡へ。福岡で大学まで行ったのだから、出生地が東京であっても出身地は福岡だと言って構わないだろう。東京生まれという記憶も認識もない。現に今でも博多弁を流暢に喋ることができる。しかし、私は「博多っ子」なのか?と聞かれればちと答えに窮する。東京で生まれ育った人が全員「江戸っ子」とは言い切れないのと同じだ。「江戸っ子」がどの範囲を言っているいるのかは定かではないが、「博多っ子」ははっきりしている。博多は福岡とは川を隔てた違う街であるということを知らない人は多いようだが、元々はその成り立ちも歴史も性格も異なる別の街であった。したがって「博多っ子」は博多生まれの博多育ちを言う。福岡生まれの福岡育ちをどういうかは今でもはっきりしない。差し詰め「福岡っ子」とでもいうか。そういう理屈でいうと私は東京生まれの「福岡っ子」である。人の移動が活発である現在、そんな定義にどれほどの意味があるか知れぬが、「ふるさと」をどこと考えるかは別の話だ。
博多は1500年以上の歴史を有する商業交易都市。古代の大陸への玄関口であった那の津がルーツであり、太宰府の外港で大陸と交流拠点「筑紫鴻臚館」があった日本最古の国際都市だ。中世、近世には海外貿易拠点、商都として繁栄を極めた。それに対し福岡は、1600年の関ヶ原の戦いの後、黒田如水・長政親子が筑前国守として入国し。城を構えた城下町である。400年の歴史を誇るとはいえ、博多に比べると新興都市といって良い。博多は那珂川の東に開けた商都。福岡はその西に新たに建設されて城下町だ。いわば博多と福岡はツインシティーである。明治になって市制が引かれた時に、福岡・博多一体として「市」とすることになったが、議会で一票差で新市の名称が「福岡市」になった。
福博ウンチク話が長くなったが、我が家の墓は福岡にある。私も大学卒業とともに福岡を出、やがて父も母も福岡を離れたが、望郷の念ぬぐい難く一族の墓をここに定めている。考えてみると父は大阪出身で両親のルーツは共に土佐高知。福岡には親戚もいない。先祖歴代の墓は高知にあるのだが、父は福岡を気に入り、文字通りこの地に骨を埋めるつもりで祖父母の墓を建てた。そして今そこに眠っている。その墓参のため、今年はニューヨークに住む娘一家とともに福岡を訪れた。孫にとっては初めての福岡であり墓参である。久しぶりの墓参なので雑草が生い茂り、皆んなで草抜きと清掃を行った。墓参のご無沙汰は父と祖父母には申し訳なかったが、みんなで汗を流した良い思い出となった。孫は野花を摘み墓前にたむけてくれた。孫は曽祖父の研究者としての生涯に関心を寄せていて、墓参りと、その業績を辿るこの旅を楽しみにしてくれていた。父の資料が展示されている九州大学医学部記念館はあいにく休館日であったが、孫たちを案内して懐かしい医学部キャンパスを散策した。父の面影を辿るセンチメンタルジャーニーである。。
街に繰り出すと博多祇園山笠の真っ最中。「集団山見せ」の日であった。勇壮な「舁山」と絢爛豪華な「飾り山」を楽しんだ。そして、昔父母に連れて行ったもらった柳川の川下りでは孫もどんこ舟の船頭の竿を持たせてもらった。「御花」で庭園を鑑賞しながらうなぎ蒸籠蒸しを楽しんだ。のちに家を建て福岡から移り住んだ太宰府。太宰府天満宮での朝拝。修復なった御本殿で朝イチのお祓いをしていただき、清々しく心晴々とした。もちろん梅ヶ枝餅も孫と食べた。九州国立博物館では観世音寺の日本最古の梵鐘と沖ノ島の国宝、有田焼コレクション、埴輪コレクションを楽しんだ。連日の猛暑にも関わらず色々な思い出ができ充実した楽しい家族旅であった。ニューヨークっ子の孫にとって記憶に残る旅であってくれると嬉しい。
青春時代を過ごした故郷。あの時は、半世紀後に自分の孫を連れて里帰りする姿など想像もしなかった。太宰府天満宮に行くと、私が子供の時に両親が記念写真撮ってくれた天神様の御神牛が、今も同じ場所にある。そこに孫を立たせて記念写真を撮った。時空を超えてそこにある故郷とは有り難きものなり。
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| 九州大学医学部記念館 |
(1)博多祇園山笠
「博多っ子」じゃなくても血がさわぐ 博多の総鎮守櫛田神社の祇園山笠はなぜ、川を超えて福岡へ?
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| 集団山見せ@川端通 |
(2)柳川 川下りとうなぎ蒸籠蒸し
城下町柳川の 川下りとうなぎの蒸篭蒸し 堀割り・クリーク 近江八幡との共通点 田中吉政のレガシー 立花宗茂の「よみがえり」
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| 柳川川下り |
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| うなぎ蒸籠蒸し |
(3)太宰府天満宮 朝拝
「天神様」のまち インバウンドでごった返す表参道を避けると昔の面影が 修復が終わった御本殿での朝イチの朝拝は地元の人の特権。
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| 修復が終わった後本殿での「朝拝」 |
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| 梅ヶ枝餅 |






